医院ブログ2021.12.14
学問のすすめ
1万円札の人 福沢諭吉さんの著書に「学問のすすめ」というものがあります。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといえり」という言葉はあまりにも有名です。
人は生まれた時は平等である、という意味でよく引用されます。
しかし、その後に続く言葉を知っている人は多くはない様に思います。
続きは
「されども、今廣く此人間界を見渡すに
かしこき人ありおろかなる人あり貧しきもあり富めるもあり貴人もあり下人もありて
某有様雲と泥との相違ありたるに似たるや何ぞや
されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるによりてできるものなり」
つまり学んで知っている事と学ばずに知らないままでいる事が人生を分けている、という事です。
明治時代から今に至るまで、月日が流れても人の人生の真理であり、心の底からその通りだと思います。
僕には息子がいます。
僕と違って小学生なのにやたら真面目なので、学校の勉強をちゃんとします。
私立の学校に行っていますが、優秀賞的なのを毎年よくもらっています。
でも、学校の勉強が出来ても全然褒めません。
学校で評価を受けても将来、何にもならないからです。はっきり言えば「勉強の為の勉強」には何の意味もないと思っています。小学校の勉強である一定以上やる価値があるのは国語と英語と算数と話しています。
国語は「読む力と伝える力」
英語は、未来は人が減っていく中で日本人同士のビジネスには限りがあるから、海外とのコミュニケーションを取るのに英語は絶対に必要。
算数は「数字が見れないと将来適切な評価ができないから」
将来、生きていくのに必要なことは今からやっておいた方が良いと伝えています。
その代わり、という訳ではありませんが、小学期3年生位からは株価や為替は必ず毎日見る様に話しています。
そして学校を休んででも良いから、自分が興味があったり楽しいと思う事は追求しろと言います。
株、為替の勉強は世の中で生きるのに必要な「お金」というものの特徴を勉強する為です。
お金がないと人はお金に囚われて生活する様になり間違った判断をするから。お金は「ルール」であり、労働の対価ではないということを僕が知ったのは30代になってからです。
何故、誰も教えてくれなかったのだろう?もっと早く世の中の仕組みを知っていれば、と本当に思いました。
そして「生きるということは夢中になれる何かを持っているのかいないのかで全く違うものになるからです。
お金や状況を理由に「出来ない理由」を話す人にはなって欲しくない、と思います。
正直、僕はそういうところがあるから、です。
勉強の為の勉強ではなく、自分の情熱を傾けられる事をする未来の為に時間と労力を使う。
自分もそうしたいと思っています。
実は僕が身を置く歯科医療の世界でも沢山「勉強の為の勉強」があります。
お金かけて労力をかけて時間をかけて思ってのは、勉強自体には何の意味もなかった、ということです。
歯医者さんの世界にはスタディーグループや学会いうものがあり、そこで話されている事の中には答えなき答えを話合い続けている事があります。
結論なき話し合いは井戸端会議に過ぎません。
でも、実際には学会を開く為、スタディーグループの例会を開く為の学会や例会は多数あり、「話し合う事、発表する事」自体を目的に人が集まります。
自分の知りたい情報を得る事が出来ればあとは実際にやるだけです。。そして上手くいかない場合は更にその事に対する情報を得て、習う必要があれお金を払ってでも教えを乞います。
でも歯科医師が何の為に学んでいるのか?
患者さんを治す為であり、お金を稼ぐ為です。お金を稼ぐ、というのは贅沢という意味ではなく「生きていく為」という意味です。
でも学べば学ぶほど治せる訳でも稼げる訳でもない方向に向かっていく勉強があるのです。
歯科医師が稼ぐという言葉を使うと下賤に思われるのですが、これは大きな間違いです。
僕から見るとまともにやったら稼げない歯科医師の中にこそインチキじみた治療を高値で売ろうとする人が多いんです。
お金に困っていない歯科医師が、敢えて取る必要のないリスクを取った治療をする理由はありません。良い結果にならない事で患者さんとの信頼関係を失ったり、自分の判断を悔やむ様な事は誰でもやりたくありません。
「何で?」という治療の多くは、何とかお金を取ろうとするからか、本当に知識や技術や経験がないからです。
だから、歯科医師が患者さんに感謝され、自分に自信を持って診療をしていくのに大切な事は「お金に困らない事」です。
若い先生に伝えたい事は、あなたが生きていくのに必要な事を積極的に学んでくださいということです。
それは歯科医療は勿論、生きるという沢山の学びが必要です。
お金のこと、人と共に働くということ、女性を雇用するということ、自分の気持ちが何処を向いているのか、などです。
そして学びの中にも「要るもの、要らないもの」があります。本当にあなたが必要なことを学んでください。