その他2022.04.04
歯列矯正のメリット、デメリット
4月も早いもので3日が過ぎました。
暖かくなり、桜が咲いたと思ったら、今日は2月の気候に逆戻りし、冷たい雨は桜を散らせてしまいそうです。
僕達が小学生、中学生の頃は入学式に桜が咲いていた記憶があるのですが、今は咲くのが早いので入学式には既に散ってしまっている事が多いです。気がつけば地球温暖化の影響を感じます。
いずれにしても4月は新たな人生の始まりの季節。
入学、就職、引っ越しを機に新しい生活が始まり、その中で歯科医院を新たに変えたり、治療を始めようと決心されるタイミングでもあります。
特にコロナになってマスクをしているうちに歯並びを治したいという患者さんは増えてきました。
明日は歯列矯正の専門医による診療があります。
いかに専門医が行おうとも魔法を使っている訳ではありません。
治療というものはやらずに済む事が最高のことです。
どんな治療にも必ずメリットとデメリットがあります。
当然ながら歯列矯正にもデメリットとメリットがあります。
患者さんはメリットについては比較的説明を受け、理解をしておられますがデメリットについては十分に理解しないまま治療を開始してしまうと、歯科医院、歯科医師への不審に繋がってしまう事があります。
yahoo ニュースにも矯正のトラブルが増えているという記事を本日目にしました。
そこで今回は歯列矯正治療のメリット、デメリットを3つご紹介したいと思います。
矯正治療のメリット
①見た目が綺麗になる
入り組んだ歯並びを治す事でお顔の印象が変わります。
綺麗な口元は間違いなくお顔を綺麗に見せます。歯を削って綺麗な歯を入れても人工物を入れる時点で歯を傷つけています。
歯を動かす事で歯を傷つけずに綺麗を手に入れる事ができます。
②清掃がしやすくなる
入り組んだ歯並びを綺麗にするのは簡単ではありません。歯並びを整える事で清掃がしやすくなり、虫歯や歯周病の予防がしやすくなります。
③食事が摂りやすくなる
上下が上手く噛み合っていない事で食事を上手く咀嚼できずに飲み込んでしまっている場合は、上下の歯の接触面積を増やす事で咀嚼を向上させる事ができます。
矯正治療のデメリット
①保険診療が適応にならないので、治療費が高くなる
歯列矯正が保険外の理由は病気ではないからです。
生まれながらの遺伝情報と成長過程での癖や習慣によって現在の歯並びになっています。
ものが噛みにくいとかお掃除がしにくくて虫歯になりやすいという状況だったとしても、今の法律では歯並びを治すのは美容形成の一部となっているので保険外となっています。
②多かれ少なかれ後戻りは必ずある
生体の反応として、歯根膜に圧迫を加える事で骨がリモデリングする事で歯は動きます。
そして並べ終わった後は人間の設計図である遺伝情報は変わらないので、基本的には元の形に戻ろうとします。リテーナーという後戻り防止の装置を使用しても矯正で綺麗に並べた状態から少し動いてしまうのは免れません。
患者さんがどんなにまじめにリテーナーを使用を守って頂いていてもこれは歯科医師の技術力ではカバーできないものです。
③矯正期間中に虫歯、歯周病の悪化や歯が思うように動かないなどのトラブルが起こる可能性がある
矯正装置がつくと、清掃が難しくなるため、新たに虫歯を作ってしまったり、成人になり、30代以降位の年齢以上から矯正を開始された方には歯周病を悪化させてしまうリスクもあります。
また、歯の動き方は事前には予想が難しく、実際に予定した様に歯が動かず、仕上がりの目標を変えなければならない事があります。
今日は簡単に3つずつのメリット、デメリットを挙げましたが、患者さんによっては歯を抜かないといけない場合や治療期間が長くかかる事、治療に伴い、歯が動く痛みやブラケットが口腔粘膜を傷つけてしまう事など、起こり得るトラブルは他にもあります。
私達も十分に説明を行い治療に当たっているつもりではいますが、私達はプロだから理解できる事が、患者さんは専門の勉強をしてきた訳ではないので、説明は聞いたけどよく分からなかったという事もない訳ではありません。
大切なご自身の体、ご家族の体だからこそ、心配な事があれば治療前に何でも聞いて頂き、納得した上で治療をお受けになることをお勧め致します。