歯の豆知識2022.05.15
親知らず、いつ抜くの?
親知らずはいつ抜けば良いのですか?
よく患者様から聞かれる質問です。
親知らずだから、必ず抜かなくてはいけないということはありません。
現在残っている歯で神経をとってあったり、食いしばりの癖があり、将来、歯根破折(根が折れる)などで抜かざるを得なくなってしまった場合に抜いた歯の代わりに親知らずを使う場合があります。歯の大きさの問題からほとんどの場合は大臼歯に限られますが、この「自家歯牙移植手術」のドナーとして使う可能性がある場合はむしろ絶対に取っておきたいです。
親知らずを抜かなくてはいけない場合。
それは「親知らずが手前の歯(第二大臼歯)に迷惑をかけるとき」です。
特に下顎の親知らずが真横になってしまっている場合を「水平埋伏智歯」といいますが、この場合は第二大臼歯との間が清掃不良になり、虫歯や歯周病の原因になることが多いです。
この場合は抜いた方が良い場合が多いと思います。
水平埋伏智歯(横を向いている親知らず)抜歯の場合、問題になるのが下歯槽管という下顎の骨の中を通る神経と血管の束と親知らずの根の先との距離です。
この距離が近い場合は抜歯することで知覚神経(動かす神経ではなく感じる神経)麻痺を引き起こしてしまう可能性があります。
その問題を解決する手段があります。
将来、第二大臼歯に対しての悪影響や矯正治療の障害となる可能性が高い親知らずに対しては、歯根が完成する前に抜歯を行うことです。
年齢で言うと中学校3年生から高校生くらいの時期です。
逆に第二大臼歯への悪影響を及ぼす可能性が高くないのであれば急いで抜く必要は全くありません。
抜歯をしたい患者さんは世の中にいらっしゃらないと思います。それは私達も重々承知した上で抜歯をおすすめするのは上記の理由に該当するときです。
ただでさえ抜きたくないのに今現在、痛かったり磨けなかったり、親知らずで困ってらっしゃらないのであれば嫌なのは尚更です。
生えていない親知らずが骨の中にある時期に抜歯すべきか否かを判定するのはレントゲン写真が必要になります。
気になる患者さん、親御さんはお声がけ頂ければと思います。