医院ブログ2022.06.20
覚悟
人生で吐きたくなるほどの緊張をしたのはどんな時ですか?
最近で一番緊張をしたのはいつですか?
スタッフ面談でこのことを良く聞きます。
私は高校3年生の時の100メートル走インターハイ予選の南関東大会決勝の時です。
私はスポーツ推薦で「走る」ことだけを目標に進学をしました。勉強とか人生の目標はありませんでした。
とにかく誰よりも早く走れて勝つ事が出来るならばそれで死んでも良いと思っていました。
1年生で国体に出場したり高校2年で10秒5で走れたりしたけれど、インターハイには出られませんでした。
だからインターハイに行くことは、人生そのものでした。
決勝では同じ高校の後輩の金子くんも一緒。練習では私より強い。
東京都予選は勝ったものの100分の1秒差でした。
負ける事は自分にとって死と同じ意味だと思いました。だからこそ決勝のスタート前は怖さがあるし緊張もしました。
別に普通の高校生だったならば、たかが走ることで死ぬことなんかないし、冷静に考えれば1レースに負けた事で今の人生に大きく関わる様な進路を歩んだわけでもない。
でも、その時は自分で勝手に決めて、追い込んで、望んで、死ぬほど真剣になったから「吐く様な緊張」をしたのです。
そして最近、一番緊張をしたのはある手術をする時でした。
0・1ミリの誤差が許されない厳しい手術。勿論、いろんな方法の中でその方法が精度は厳しいけれど成功すれば間違いなく一番良い結果が得られる。
これも患者さんにも提案したのは自分。もっと楽な選択を選ぶことも出来た。
この緊張は勝手に私が私を追い込んだ結果であり、患者さんは勿論誰にも矯正されたわけではない自分の選択でした。
緊張する時は自分が自分を追い込み、
「成し遂げたい」と本気で願っている時です。
だから、スタッフが緊張している時はそれだけ人生に仕事に本気になっている証拠だと話をします。
患者さんとお話しするとき
治療をするとき
患者さんからクレームをもらい、謝るとき
院内テストがあるとき
緊張するくらい人生を真剣に生き、真剣に仕事をしている証だということであり、逆に緊張が少ないということは挑戦が不足しているのかもしれない
勿論、誰だって上手くいくときもいかないときもあります。
これまで全てがうまくいったとは言えないけれど、挑戦に対して成功体験を得られ、自信に変えてこられたから今があります。
願望の強さ、そして成し遂げる為に犠牲を前払いする精神力は成功体験を得るのに必須です。
今日、The match 2022 で那須川天心選手と武尊選手の試合がありました。
結果は那須川天心選手の明確な判定勝ち
天心選手も負けたら死ぬつもりだったとコメントしていますし、武尊選手も負ける事は死だと試合前から語っていました。
そして決着がついた。
勿論。この試合で勝ったことで得られるもの、負けたことで失うものはとても大きいと思います。
でも実際には負けても人生は続くし、ほとんどの人にいつかは必ず負けや挫折は訪れて、その負けと一緒に人生を歩み始めてからの人生の方が長いのだから。負けてからのそこからが人生だから。
那須川天心選手はこれからボクシングに転向し世界を目指す。
武尊選手は引退をするかもしれない。
緊張で固くなった自分、興奮して大振りで当たらないパンチを打ってしまった自分をずっと責め続けるかもしれない。
でも、お互いに勝利をしようと命をかけるほどに本気で生きたことの結果はハッピーエンドではなくても、誰もが出来ることではない。
人生はいつでも世界の主役になれるわけではない。けれど、自分の人生は負けた後でも主役であり続ける。だからこそロッキーが世界であれだけ支持をされたんだ。
那須川天心選手おめでとう。新しい挑戦頑張れ!
武尊選手、お疲れ様でした。君も多くの人を打ち負かしてきた。そして逆にそうなる番が自分に来た。でも君に負けた選手達は死んだだろうか?レオナ・ペタスだって今日、試合をしていたじゃないか。この負けを負けで終わらせない。それが人生なんだ。今は人生の全てを失った様な思いでいるだろうけれど振り返れば「そんなこともあった」と思える。必ずだ。今後の活躍に期待しています。
俺も歯医者として出来る様になりたかった仕事ができる様になったり、歯科医院も「こんなもんか」って経営をするならば、もう目標はとっくに達成してしまって、老いて疲れちゃった自分もいる。もういいかな、と思うときもあったけれど、疲れても落ち込んでもチャレンジを止めてここで落ち着くのかって自分に問いかけたらまだ戦えるって心の中の俺は言っている。
まだやれるだろ?お前そんなもんか?って。だからやるよ。悔いのない人生のために。
The match 2022出場選手の皆様、勇気をもらいました。お疲れ様でした。