歯の豆知識2022.10.24
歯周病って歯磨きを頑張れば治るの?
歯がなくなる理由。
1位 歯周病
2位 虫歯
3位 破折
この順位はほとんど変わりません。
勿論、患者さん個人によってリスクは違います。
歯周病菌には10代後半に感染すると言われています。親から感染するのは4割以下で、他の人から感染をします
虫歯菌は2歳の頃にお母さんより感染します。
20歳になると虫歯菌も歯周病菌も口の中の常在菌として定着します。
常在菌ですから、出て行くことはありません。
今回は歯周病のお話です。
歯周病は細菌によって引き起こされる病気です。
成人の9割は歯周病にかかっていると言われており、「世界で最も多くの人が罹っている感染症」です。
歯磨きとは口の中にすむ細菌を減らす行為です。ですので歯周病治療で歯医者さんまじめに通うだけではなく、患者さんご本人がどれだけ自分でセルフケアに取り組んでもらえるかはとても重要です。
題名にあった「歯磨き頑張れば治るのか?」の答えを言うと、歯磨きを上手に続けてもらうのはとても大事だけれど、自分の免疫力や喫煙などの習慣も関わる話なので十分とは言えない、という事なんです。
勿論、歯科衛生士の史跡をとる技術も重要だと思います。
多くはありませんが、歯科医師が手術をする技術が必要なケースもあります。
しかしどれも「一部」であり、技術だけで治る歯周病はありません。
それは細菌との付き合い方がそれでは不十分だからなんです。
例えば最も悪質な歯周病の原因菌と言われているP・G菌に対してのワクチンを作ることは可能だそうです。
しかし、歯周病は様々な細菌のバランスによって引き起こされる病気です。1種類の細菌を叩いても他の細菌の増殖を促すことにもなりかねません。腸内細菌を0にすることが出来ない様に、私達人間の健康は生まれもった要因は変えられないものだけを憂いても病気からは体を守れないのです。
ですから、細菌だけのせいにして病気を考えるのではなく、自分がコントロール出来る「習慣」にフォーカスを当てて考える必要があります。
持って生まれた遺伝的な要因は知っておくことは大切だと思います。
遺伝的な要因とは「変えられないもの」です。
また年齢と共に一般的的には免疫力は衰えていきます。
コロナも20代では風邪ですが80代では死に繋がるかもしれない病です。
人が育つ過程で身についたの食生活習慣は関係があります。
煙草を吸う習慣、歯ぎしり、食いしばり、歯磨きなどの口腔清掃、定期的に歯医者さんに通う、等の習慣
また、ストレスや全身疾患罹患など免疫力を下げる出来事もあります。
ストレスや全身疾患はなかなか努力で改善できないものです。
歯ぎしり、食いしばりも同様です。特に寝ている間は絶対にコントロール出来ません。
で、ある以上、自分で変えることができる習慣にどれだけ強く変える意志を持って実行に移すかが大事なのです。禁煙や上手な歯磨きなど、健康であるために必要な「習慣」を日常どれだけできるか。
歯周病のみならず、いわゆる「生活習慣病」と戦うには、習慣の変更無くして病気の改善はありません。
ですので「変えられるもの」にフォーカスを当てて、患者さん自身が「治そう」とする行動に変えるための知識と、変える為の強いモチベーションを患者さんにどれだけ提供できるかが歯科医療に携わる人間の役目だと思っています。
つまり歯周病を治す「腕」とは、2本の腕から生み出される技術だけではなく、患者さんが自分の健康の為に良い習慣を増やし、悪い習慣を止める様に導ける「言葉の力」含んでいるのです。