歯の豆知識2022.11.04
自費診療と保険診療 動画付き
日本はこれから少子高齢化を迎えることになります。
医療費の削減は国としても取り組まねばならない大きなテーマです。
医療費を削減する1番の方法は「病気にならないこと」です。
特にWHO(世界保険機構)は虫歯、歯周病を細菌が引き起こす疾患ですが「非感染性疾患」に分類しています。
つまり常在菌が起こす生活習慣病であり、良い習慣を身につけることで予防が可能な病気だという見解です。
日本には国民皆保険制度があり、この制度のお陰でお金の心配が比較的少なく医療を受けることが出来ます。
アメリカでは医療費が払えるだけの保険に加入していないと分かった時点で治療が中断されてしまうことも少なくありません。
しかし少子高齢化はこの国民皆保険制度を崩壊させてしまうかもしれないのです。
現役で働き納税する人たちが、老いてもう労働はしていないけれども身体に病気を抱える高齢者の医療費を支えてくのにはいつか無理が来るからです。
ですから「保険が適応できて当たり前」という時代から、今までは保険でカバーされてきた事が今後は保険適応外のサービスとなるものが出て来ることも予想されます。
特に直接的に死に直結する疾患に比べ、歯科疾患の虫歯や歯周病は予防できる病気なのに、あなたが予防に取り組まなかったから悪くなっちゃったので、それって自己責任だよね?という解釈になっていく可能性があるのです。
誰でも医療費が高くて嬉しい人はいません。
しかし、健康は失ってはじめてその価値に気がつきます。
ですから、失ってからではなく「健康でい続ける事」に対する意識や取り組みは今後更に重要性を増していくと考えられます。
それは金額では換算できない価値を持っている事なのです。
ですから、私達が最も患者さんにお薦めをしたいのは、虫歯予防はシュガーコントロールとフッ素の適用
歯周病予防は歯磨きを上手にする事と喫煙をしない事、そして10代後半から歯科にメインテナンスに通う習慣を身につけて発症させない事です。
とはいえ、既に病気になってしまった人には治療をしなくてはなりません。
歯科治療では必ず「お金の話」が話にあがります。
何なら、保険外診療はぼったくりで悪であると考える患者さんもおられます。
保険が適応できるか否かは国が決めます。そして、それに加えて採算性も考慮してそれぞれの医療機関で自分の医院ではどうするべきかを決定しています。
医科のクリニックに行き、診察、治療を受ける時は健康保険が適応出来ることがほとんどです。
健康保険が適応できない時は
①国がその疾患の治療において保険点数を設定していない場合
②「病気」ではなく「美容」に区分される時(シミ取り、美容形成手術)
③「治療」ではなく「予防」の場合(インフルエンザの予防接種、人間ドッグ、など)
になります。
歯科では保険が効かない場合は
①保険にその治療の設定がない場合(骨に至る虫歯、あるいは破折の矯正的挺出、インプラント、保険で決まっている方法、材料以外でのクラウンブリッジや入れ歯の設計など)
②骨切り手術を伴わない歯列矯正
③「治療」ではなく「美容」行為の場合(審美補綴、ホワイトニング、など)
私達は治療計画を立案するときに「もし自分の家族に治療をするなら?自分が治療を受けるなら?」が判断基準になります。
それは必ずしも保険という決まりの中ではない事もあります。
そんな事を説明したく、スタッフが動画を作ってくれました。
ご覧になって頂ければ幸いです。