医院ブログ2023.01.02
あけましておめでとうございます
2023年 新年明けましておめでとうございます。
昨年は皆様に大変お世話になりました。
来院して頂く患者さん、一緒に仕事をするスタッフ、医院をして頂いている業者の皆様、医院を応援してくださる皆様、本年もどうぞ宜しくお願い致します。
今年のはらデンタルクリニックは、今までの診療に加え、特に小児治療、小児矯正、予防への取り組みを強化していく予定です。勿論これまでもそうだったのですが、更に深く取り組んでいこうと思っています。
重症になってしまった病気に対して出来る事は限界があります。
いかに病が重症化するのを回避するかが重要です。
その為には、年齢が若い時から歯科医料で生じるであろう問題を解決することをどれだけ多くの患者さんにお伝え、実行できるかが鍵です。
患者さんの未来を変えるのは今までと同じ取り組み方では変えることは難しいです。
延長線上にない未来を創るには、これまでにはない取り組みが必要です。現在、色々なプロジェクトが進行していますが発表できる状況になればまたお知らせしたいと思っています。
勿論、既に虫歯・歯周病を発症したり歯を失ってしまった患者さんに対しての治療はこれまで同様全力で真剣に行っていきます。
昨年は15回目の年越しですが、東日本大震災、コロナ禍、という色んな障壁を経験してきましたが、その中でも大きな変化があった年でした。
昨年は13年間衛生士チーフを務めてくれていた矢島が4月から産休に入りました。
おめでたい事で彼女の人生にとって喜ばしい事ではあるけれど、院長の示す医院の方向性を理解し、院長とスタッフを繋ぐ役割、医院の未来を見据えて後輩衛生士の教育をしてくれていた彼女を欠いて医院運営をすることは、マネージメント力自信がない院長の僕にとっては本当に不安な出来事でした。
今年5月から復帰予定ですが、スタッフの協力と成長があったおかげで今のところは乗り越えることが出来ました。
また、夏にはコロナの感染者増加ということがありました。
常にスタッフも誰かが感染によって不在者がいる状況、そして患者さんもスタッフもいつ感染してもおかしく無いという環境で、医院経営はしなくてはならないけれど医院をスタッフ、患者さんとも感染を広げる場にしてはいけなかったし、対応には苦慮致しました。
7月には開業して初めて、院長の僕が2週間手術で入院で離脱するという出来事もありました。
留守を代診の先生方をはじめスタッフが守ってくれたので今年は勉強会や入院などでかなりの日数医院を不在にしましたが、9月の決算の数字は過去最高の医業収入を記録していました。
昨年12月のレセプト枚数(保険の患者さんの数)、売上とも1ヶ月単位では過去最高でした。
こうして来院された患者さんの数も売上高も毎年、過去最高を塗り替えていけているのは、いらして頂ける患者さん、過去、そして現在一緒に働いてくれるスタッフのおかげだと思っています。
開業当初に今の医院を想像していませんでした。今の規模の医院を目指してもいませんでした。当時からすれば夢の向こう側だけれど、実際そこに身を置いてみると感謝も沢山あると共に未だに課題も沢山あります。
診療で自分のスキルや経験が足りない事もあったし、スタッフ人事の悩みは常にあるし、壁にぶつかる度に「足りない、何とかしなくては」と思い、それに対して解決の為の実行を積み重ねた結果が現在です。
治療のスキルや自分の経験を超えた症例への対応に関しては診療後に本を読み、休日に講習会に通い、講師や先輩に教えを請いにいきました。
患者さんが少なく売上が低い時は、とにかく多くの患者さんに来院してもらう為に何をすれば患者さんに愛される歯科医院になれるのかで頭が一杯でした。
人が採用出来ないときは雇用条件の改善、人間関係、学びの環境、など何を変えたら人が採用し、医院を愛して働いてくれるのだろう?と思って試行錯誤をしました。
スタッフが増えればどうやって医院全体で向上心を持って、仕事中は勿論、仕事をしない時間にいかに向上心を持って自己投資を行ってくれるのかを考えました。
歯科医師、歯科衛生士は患者さんの悩みに対して解決する為の最善の医療行為を選択、実行する能力があれば良いです。
しかし、院長という仕事はそれだけでは不十分です。患者さんに対してすべき事に加え、医院やスタッフに何をすべきかを考える必要があります。
患者さんは必要で上質な医療サービスを受けられる。
スタッフは仕事でのやりがいと十分な報酬を手にできる
医院は新たなる設備投資と教育のための内部留保を確保する
この相反する3方に対してどうバランスを取るかが重要になります。
下の資料を御覧ください。
これは大掃除で出てきた埼玉県の歯科医院経営実態調査の結果です。
そうすると、今の歯科医院像が見えてきます。
平均的な歯科医院は
歯科医師は1人
歯科衛生士は1人
歯科助手は2人
受付が1人
ユニット台数は3台
コロナで患者さんは減っていて、1日11〜20人の患者さんを拝見する
これが平均的な歯科医院です。
もし、「はらデンタルクリニック」が平均的な歯科医院であったならば、今年あった複数の苦難を乗り越えられたとしても、患者さんへかける御迷惑は昨年のそれでは済まなかったですし経営的には相当なダメージを負った事でしょう。
僕が入院した時点で、歯科医師不在になり休診になるので患者さんにも御迷惑をお掛けしましたし、スタッフが複数人コロナになれば休診にせざるを得なかったと思います。
現在の状態になったからリスクに対して対処できたのです。そして患者さんにもスタッフにも、はらデンタルクリニックに関わる方々に対してより価値のある存在になる為には組織としても個人としても更なる成長が必要です。
来年には1/22には、レセプトコンピュータ(保険処理、患者さんの予約システムや患者さんへの情報共有をする為のコンピューター)の入れ替えがあります。
これはマイナンバーに対応する為、LINEを使って紙ではなくデータで治療計画をお送りしたり、ネット予約を取りやすくしたりするのにコンピューターの入れ替えが必要なのですが、実は500万円以上の費用がかかります。
新しい仕組みへの対応、医療機器への設備投資や、医院・スタッフの予知せぬ出来事への対応など、歯科医院経営は医療行為を一生懸命やるだけでは滞りなく遂行する事が出来ません。
ある医療法人の経営をする事務長の方は歯科医院を経営し出してすぐに撤退をしました。利益率が低すぎて、医科の経営に比べ採算を取るのが難しいかった、とのことでした。
つまり15年間に渡り、患者さんが増え続け、新しい設備投資を続け、スタッフ数を増やし、医院が成長を続けてこれたのは決して当たり前では無いという事です。
そしてそれは自分の思いや努力もあったけれど、常識を超えた数の来院頂いた患者さん、常識を超えて協力してくれるスタッフがいたから今の実績に至ったのだと、本当に感謝を感じています。
世の中の歯科医院で働く多くの歯科医師、歯科衛生士はそれぞれの思いや力量の差はあれど、その場で全力を尽くしています。
そして患者さんにとって医療人が勉強修練を積むのは当然のことでしょう。
しかし、日々の業務に忙殺されながら自分をアップデートする為に学ぶのは皆がやっているかというと、そうとは言えないのです。
同義的にも当たり前で、患者さんも術者もそうあるべきと知っている医療人の自己研鑽を継続し、医院の医療の質を高めて続けていくのは「当たり前」では出来ないのです。
ですから常に意図して教育の場、修練の場に身を置く環境を医院として提供していくつもりでおります。
そして勿論僕自身も、院長として更なる成長の為に必要な学びの場に身を置きたいと思います。
1月より衛生士学校の学生さんが実習に来ます。
学生さんの教育に携わることは僕にとってもスタッフにとっても「教える、伝える」という行為を通じて自らの思考や行動を言語化したり分からない人の気持ちを考える必要があります。教わるだけではなく教育する側になる事は学びが多い事だと思っています。
新年を迎え、今年やるべきことを考え、リスト化する訳ですが、こうして明確な新たな目標や課題がある事は本当にありがたいことです。
開業してからしばらくは、歯科医師としての自分の技術、知識のスキルを高める事が最も優先順位の高い事柄でした。その頃の自分の願望は「凄い仕事が出来る様になる事」でした。
しばらくがむしゃらに頑張った後に、臨床経験とそれに伴う自信が出て来ると、スタッフとの信頼関係と経済的充足、つまりマーケティングとマネージメントが出来る様になる事を求めました。これは診療に比べなかなか上手くいかず今でも悩みながらです。
そんな中でも信頼できるスタッフが出来ました。
「何とかついてきてくれているこの人達の人生を良くする事に貢献したい」と思う様になりました。報酬もやりがいも生き方も全て包括して貢献したい、と思いました。その近い関係の人の人生に貢献したい、という欲求は来院される患者さんから近しいスタッフ、前スタッフ、まだ会ったことのない地域の人、そして歯科業界の後輩にまで広がり、現在に至ります。
まだまだ至らない自分や医院でありますが、皆様の力をお借りして、はらデンタルクリニックが所沢に存在する価値を高めていきたいと思っております。
4日から仕事初めとなります。重ねて本年も宜しくお願い致します。