医院ブログと歯の豆知識

CLINIC BLOG & TOOTH KNOWLEDGE

歯の豆知識2023.03.03

歯科医院は「塾」に通う様に使って欲しい!

ネット社会では、あらゆる情報は出掛けなくてもスマートフォンで手元でから集める事が出来ます。

例えば、歯科二大疾患で言えば

「むし歯」の原因

・砂糖の摂取の機会と量

・細菌の量

・先天的な唾液の質(緩衝能=中性に戻す力)、歯の質(エナメル質の減形成、などをの先天的な異常)

・口の中が酸性に傾いている時間

の4つの要素が重なり発症する。

むし歯治療は

CO:エナメル質表面の脱灰→削らない

C1:エナメル質内のむし歯→削る

C2:象牙質に至るむし歯→削って、詰める、被せる

C3:歯髄に至るむし歯→抜髄(神経を取る処置)をする。なお、日本の歯科医院では、ラバーダムの使用など、きちんと歯髄処置を行っている歯科医院の方が少ない現状があり、治療の成功率が低い。

C4:骨縁下に至るむし歯→抜歯。可能であれば矯正で挺出させたり、手術をして残すケースもある。

「歯周病」は

・歯周病菌によって起こされる「歯の周りの骨を失う」病気であり、20歳過ぎから徐々に痛みを伴わずに悪くなる。

・遺伝的に歯周病菌に対して弱い人がいて、御両親のどちらかに重度歯周病になった人がいるならば、中学生位から発症させないための行為が必要である

・煙草、糖尿病は明確に歯周病を悪化させる因子である。

・定期的なメインテナンスに歯科医院に通うことは、歯周病の悪化を防ぐ。

歯周病治療は

・悪習癖(喫煙、歯磨きのやり方、回数、習慣)の改善

・スケーリング、ルートプレーニング(歯肉縁下の感染の除去)

・改善が見られたら、その後の安定を保つ為、悪化を見逃さない為にメインテナンスと定期的な検査を行う。

 

などの情報は衛生士専門学校や歯科大学に行って勉強しなくても、ネットで簡単に知ることが出来る情報です。

だから、多くの人は歯科二大疾患の予防方法を知ろうと思えば十分な知識を得られます。

そして、むし歯、歯周病ともに「生活習慣病」であるが故に、歯科医院に任せっきりではなく、患者さん自身の生活習慣の改善が重要である事はとても重要です。

一度発症すると、勝手に完全治癒することはなく、痛みを伴わずに徐々に悪くなります。

たくさん削った歯は弱くなるので、歯の寿命は短くなります。

歯周病は年齢と共に免疫力も弱くなるので、今まで問題が無いから大丈夫とは言い切れず、気がついたら進行するという事になりかねません。

だから、定期的なメインテナンスと検査を行い、予防と早期発見と適切な時期の早期治療を行うことは将来のお口の健康を維持するのに有効だと、全く知識のない患者さんでも、自分の健康を守ろうと本気で調べれば誰でも知ることができます。

でも、健康になりたい、自分の歯を守りたいと思っても、それを実際の行動に移せる人はそんなに多く無いのです。

今はAmazonで教材も買えるし、YouTubeで優秀な講師の授業も聞く事ができます。

学校に行かなくても勉強をすることが出来ます。

コロナ禍でリモートワークが導入され、会社に行かなくても仕事をすることが出来る仕組みも発達しました。

しかし、余程、自分を律する事ができる方でなければ、学校に行ったり会社に行くよりも成果を出すことは出来無い事が分かっています。

人間は環境に左右される動物だからです。

私達の仕事において「治療」は手段です。

目的は「歯に困らない未来を創る」事です。

勿論、来て頂いた以上、検査やメインテナンスを行います。しかし大切なのは歯科医院に来ない日々の生活で何をするかです。

歯の健康を守る為の空間に定期的に身を置くことで、患者さんの意識を高め、日々、健康的な行動を選択を出来る様に、そう、「塾に行く様に」歯科医院を使って頂ければと思っています。