医院ブログ2023.05.28
「教育」について
今日の話は「教育」の話。
歯医者さんや衛生士さんと接すると日本の教育の問題点を感じる事が多くなった。
みんな頑張っているし、真面目にやっているのに、この「モヤモヤ」は何だろう?この人達の本当の良さが仕事に活かされていない、という感じがする。
ここのところ、大学、中学校、小学校という場所に行ってみてそのモヤモヤの正体が分かった。
幼い頃からの教育に原因があると感じたのだ。
昨日、息子の通う学校のPTAの役員になって、会合に行ってきた。
この役目をお引き受けするにあたり妻は言う。
「私立の学校はあなたが自由に発言して良い場所じゃない。」
息子は言う。
「お父さんはちょっと普通の大人っていう目線でみればぶっ壊れているし、時間が守れないから止めた方が良いよ。」
先輩の井口先生も
「先生はやっちゃヤバイでしょ」
と仰る。
反対意見しか出ない。
ということで、やることにした。
結論、実際に行って話してみて変わろうと思う先生方、父兄の方々とお話をして、この学校で良かったと心から思えた。
変わったばかりの校長先生の言った言葉。
「今、行われている進路相談は進路相談ではない。学校選びです。
企業にいたときに、優秀な学校を卒業している人達が、就職の面接で自己アピールをするのを聞くと、驚くほど皆が同じ事を言う。
自分の個性を自分で分からない、自分のしたいことも分からない、ただ周囲の与える評価から間違わない様にしている。失敗が大事なのに学校教育が失敗をしないように指導する。
これが一番の問題です。」
スポーツでも勉強でも勝ち続けられる人生はなくて必ず失敗も挫折もある訳で、そこからの方が学ぶものは大きい。
だから、失敗をしないことではなく、失敗をどう活かして、そこから立ち上がることが出来るかが、本当に重要だ。
進学実績は親が学校を選ぶ上で絶対に気にすることだから当然、学校としては生徒を集める為にも重要なこと。
でも、結果的に親は子供に優秀になって欲しい訳ではない。幸せになって欲しいのだ。
そもそもテクノロジーの進化で知識があること自体の価値は薄れてしまった。
つまり「専門性」とは単純に資格や知識では足りず、それを人が営む実生活にどう活かす術を持っているかということが重要になった。だから
「○○大学を出た」
「○○の資格を持っている」
だけでは、実は全く「安心」すら手に入らない。
偏差値の高い学校に入学した、医者になった、歯医者になった、看護士になった、衛生士になった、弁護士になった、会計士になった、税理士になった、教師になった、等のことは勿論、世の中で働く上で所得を得る為の武器になるし、努力が分かりやすく形になる事は良いことであるが、将来の幸せを補償してくれるものではない。
上手くいかない「今」の問題解決が出来ること
幸せになって欲しい、「幸せ」とは何か?
生活の中で周囲との良好な人間関係と
困窮しない経済的なゆとりと
何よりも健康であること
そして子供自身が、自分がどういうことが好きで、どういう状態が幸せかを知っていて、沿った人生を送っていること。
はじめから正解が分かっていれば誰でもそうする。
でも、人間はみんな一緒じゃないから、その人なりの見つかるまで諦めないで正解は探すしかない。
だから親や学校は安心して失敗を出来る環境を作り、チャレンジを躊躇しない環境作りが大切。
そして失敗や上手くいかなかったことからの学びを成果に結びつける手伝いをすること。
これは職場も一緒。
医療の現場では安心して失敗をされては患者さんは堪らないから、現場に出るまでの土台作りが大事になる。
親や組織の上司が辛そうに文句を言いながら過ごしていたら、説得力もなく、それに憧れもしないから、。
親や上司が自分の命も輝かせられないのに、子供や部下に輝け、と言うのは無理がある。
経営者であること
歯科医師であること
親であること
講師であること
PTAの役員であること
不完全な自分だからこそ、せっかく訪れた色んな機会を楽しんで、成長の機会に出来たら、子供にもスタッフにも面白い未来を作るお手伝いが出来るんじゃないかと思っています。