医院ブログ2016.01.24
成長
歯科医院は院長だけでは成り立たず、数多くの人間がチームとして機能して成り立っています。
今回は当院の常勤歯科医師の鶴野先生について少しお話ししたいと思います。
鶴野先生とは大学の陸上部の後輩で、彼が18歳からの付き合いになります。
全日本歯科学生大会の800メートル走で優勝経験もある先生です。
とても良い人間なのですが、以前学生時代にモデルやっていた事がある男前なので院長が霞むのが 個人的にはちょっと感じが悪いです。
18歳からの先輩後輩なので、鶴野先生が就職してくれてから、患者さんへの対応、歯科医師たるものの在り方(私も足りない部分が多いですが)診断の仕方、医療技術を教えるにあたっては結構厳しく教えました。彼が男泣きする程、指導がいきすぎた事もあります。でも2年間、頑張って、最近では色んな仕事を任せられる様になりました。最近、何故辞めずに頑張れたの?と聞きました。
「逃げたくなかったんです」
歯科医師の仕事は一生懸命やっても必ず良い結果が得られる訳ではありません。必死に勉強して、練習して、そうして患者さんに臨んでも痛みがでてしまったり、思う様な結果が得られない事は起こりえます。
頑張っても報われない思いばかり。そんなケースにさらされ続けると、心が折れそうになる事もあります。若い先生は毎日がそんな思いのはずです。一生勉強し続けることはこの仕事では当然で必要不可欠ですが、実は若くしてその当たり前の事を出来ていなくなっていく先生が多いのが現状です。実は私も30の時に心が折れてー歯科医師を辞めようと思った事があります。
どんな職種も辛くない仕事などないです。その道でそれなりの人物になるには何よりも「折れない心」と「向上心」が継続して持ち続けられる事が一番の才能だと思います。
先日、ある患者様の治療方針を立案するにあたり、その患者様の生活習慣、思い、お口の中の状況、色んな角度から考えて、でも答えが何通りも考えられるケースがありました。とても難しいケースでしたが、あえて彼に悩んでもらう事にしました。
鶴野先生は一生懸命、私より先輩の先生方に臆する事なく質問して、先生なりに模索し、患者様へ何通りかのプレゼンテーションを作成する様子を見て、気がつけば随分成長したなあと感じました。
鶴野先生が入ってからの2年は僕も彼に院長として育ててもらったと思います。人に何かを教える、伝えるって難しいです。正しい事を言っても相手が聞く耳を持たなくては意味がないです。人の育成経験のない僕は先輩後輩が長かったのでガチガチの感情むき出しに大人気なく彼に接しました。1つの部屋にいながら殆ど会話のない時期もありました。今後どの先生と仕事を一緒にするにしてももう2度と同じ事はしないし、出来ないとおもいます。そんな辛い時期を経て、今は仕事が楽しくなったと、頑張っている鶴野先生の姿は去年より随分大きく見えます。太った訳じゃなくて。
僕も大きくなりました。こちらは身体も。今朝着たスーツがキツい。
成長は心だけにして身体は絞っていかなきゃと思っています。
成長、と題しましたが、まとめは「彼はこのまま頑張る、僕は大きくなった体に危機を感じている」ということで。
今年も頑張るぞっと。