医院ブログ2016.07.04
CEエンドアドバンスコースに参加しました
6/25,26はCEセミナーのエンドアドバンスコースに参加して参りました。
根管治療の目的は感染の除去と感染を防ぐ封鎖です。その基本は昔から今に至るまで、おそらくは未来も変わらないのですが、材料、機器の進歩により、安全性や効率の向上をしてきました。
今回はレシプロックやデンタポートOTR機能にバイオレイスのニッケルチタンファイルを用いた、安全でスピーディーな根管治療を学んで参りました。また、そもそも「根管をいじらない」つまり感染していない歯髄を温存する「断髄」について月星光博先生の臨床を御教授頂きました。古くて新しい考え方だと思います。現在はある一定以上の感染を認めた歯の歯髄は全て除去するのが主流ですが、もしかしたらこれから見直されていくかもしれません。
受講生のケースや講師の月星先生、福西先生、仲田先生、泉先生の今、感じておられるざっくばらんなお話が聞けたり、また、個人的には大学院進学を見据え実験の基本を教えていただいた現在東北大学講師をされていらっしゃる半田先生に十数年振りにお会い出来たり、とても楽しく充実したセミナーとなりました。
現在、当院に来られる患者様で抜髄(いわゆる神経を取る治療)になる患者様はどんなに多くても来られる患者様の数は2%を超えることはないです。つまり、5~16本以下程度です。そして残念ながら抜髄処置をする事になった患者さんの当院で私が担当した根管治療は9割以上の成功率です。
ほとんどの根管治療は他院、あるいは当院で行った治療の再治療です。
つまり
「今、来られている患者さんの多くが歯が神経取る程、悪くならなくなっている」
「多くの歯科医院で日本で行われている根管治療の成功率が悪かった」
という事です。
そもそも患者さんは少し前よりも御自身の歯を守る意識が高くなってきており、神経を取るなんて処置はしないで済ませる方が歯が残る社会になってきており、一昔前は(今も)基本的な事、当たり前の事を出来ない、あるいはしない歯科医があまりに多いという事でしょう。
ラバーダム防湿、ZOO、マイクロスコープ、CT、ニッケルチタンファイル、色々な道具を使いますが、道具が人を治すのではなく、ヒト(患者さんと術者両方)が治る手伝いをしている事を忘れてはなりません。
この先もどんなに技術革新が起きても基本は変わる事はありません。
患者さんが御自身の歯を大事にする意識と行動をする事。
歯科医は感染との戦いに対し、出来るだけの事をする。
当たり前以上をこつこつと
神でない、人間が出来るのは結局それしかないと、改めて感じました。
患者様、スタッフにはご迷惑お掛けしましたが行かせて頂きましたありがとうございました。