医院ブログ2016.07.04
再生医療について勉強してきました
7/3に名古屋にて月星先生が主催されている日本自家歯牙移植、外傷研究会の例会で東北大学教授の斎藤正寛先生の「歯科領域における再生療法研究の実際と課題」の御講演を拝聴して参りました。
斎藤先生は先生が神奈川歯科大学保存会にいらっしゃったときに、私の指導教官でその際に本当にお世話になりました。実習帳を紛失したときに助けて頂いたから、今、歯科医師としての僕がいます。斎藤先生は当時ではあまり一般的ではなかった移植、再植治療を積極的におやりになっていらっしゃいました。斎藤先生に大学院に誘って頂き、卒後1年お世話になったのですが、私は研究より臨床に興味が移り、お世話になった先生方にうしろ足で砂をかける様な心苦しい思いで大学を出ました。
後にお伺いすると実は再生の分野に御興味持たれたのは月星先生先生がお書きになった書籍を読まれてからとおっしゃっていましたので、何か勝手に自分の中では運命の輪が繋がった様な気がしました。今、僕が興味を持ってやっている仕事は大学5年生から導かれていたのかなと思います。
何はともあれ優秀な斎藤先生は大阪大学、東京理科大学、などを経て東北大学教授になられました。十数年間のときを経て、斎藤先生のお話が聞けるのはとても楽しみに名古屋に入りました。
先生のお話しされた内容は研究が宗教や政治に翻弄されながらも再生医療がどんな歴史を経て現在に至るかと、人間の治癒に関わる要素について、また、今取り組まれている研究、教育テーマについてでした。
得た結論は現状、全身疾患を抱えている患者さんは歯だけの問題だけでは治癒に向かわない事があること、また逆に標準治療をしっかりやらないと歯科治療の不備や失敗が全身疾患の増悪因子と成り得るのでしっかりやるべきことをやらねばということが僕等開業医が認識して仕事をしようということです。
医学の発展は研究者の先生方が魔法の杖を探しているくれているのだけれど、そこには実直に行われる現場の医療がなくては実用化されないのだと思います。
難しいけれど大変勉強になりました。