その他2021.10.10
アンチエイジングと歯科
10/10(日)は、はらデンタルクリニックは矯正日で診療をしています。
そのスタッフに感謝しつつ僕はお休みを頂き、友人の井口晋利先生が一般社団法人日本抗加齢美容再建歯科協会主催のAesthetic Reconstruction 公開シンポジウムで講演をするという事で聞きに行ってきました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、そもそも東京に講演会に行くというのはかなり久しぶりでした。
歯科医療としての美容医療〜新しい歯科医療の実現という副題で、レーザー、ボツリヌストキシン注射、脂肪溶解、ヒアルロン酸、ダーマペンなどを用いて、美容再建についてのシンポジウムです。
以前、ヒアルロン酸の注射によるほうれい線への対応はやっている時期がありましたが、それほど宣伝をしていた訳でもなく、日常の治療に追われてだんだんやらなくなって今に至ります。
僕の日常は「口の中の病気を治す」治療が主たる仕事になります。
勿論、その中で最大限に審美的に仕上げる様に心がけます。
しかし軟組織(唇や顔)の病気ではなくアンチエイジングを目的とした治療は日々の診療であまり患者さんからのニーズを感じていませんでしたので、あまり興味が無かったのが正直なところです。
当院の女性の患者さんは30代、40代の方が最も多く、子育ての真っ只中の女性は美容に興味はあってもなかなか自分の為にお金をかける事は難しい様に感じています。
ですが、これから更なる高齢化社会を迎えるにあたり、患者さんが年齢を重ねる事により生じる悩みは機能障害だけではなく、いわゆる「見た目」の悩みが深刻なものとして増えてくるのかもしれません。
また、「過度な咬む力」による歯の破折は日常臨床で一定数見られます。
そういったケースに関して咬筋に対するボツリヌス注射により、咬合力を弱め歯のダメージを軽減する事は有効だと思います。
どんな製剤も「使い方」が重要で、トラブルが起きない様に注意して施術する事、トラブルが起きた時の適切な対処の準備をしておく事が重要という事は演者の先生方に共通した意見だったと思います。
特に美容が主訴の場合は、病気を「治す」のではなく、人生の質を上げる足し算なので比べマイナスからのスタートではないので期待値が高いです。
だからこそ、得られる効果とリスクに対しての十分な説明が必要だと思いました。
普段の治療に加えて今後の歯科医療の範囲の目線を広げていくのに良い経験となりました。